荻生徂徠の声

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（絵は日本豆腐協会HPより）

 『今日は墓参り有難うよ。わたしゃ若いころひどい貧乏で豆腐屋には大変お世話になった。その豆腐屋が火事で焼け出されたと聞いたので礼がてら見舞金を持って出掛けた。ところが主が言うのには『見事に仇討ちをしたあの義士を切腹させた、情の無い輩から銭などもらえるか！』とすごい剣幕であった。しかし夜、夜中４７人で徒党を組み一人の年寄りを殺害した。ドンでもない重大な犯罪であり、法に従えば極刑で、市中引き回し打ち首である。しかし世の中には情というものがあり、武士には誉れがある。かくして小刀を使わせたのだといろいろと説明した。そう簡単には理解してくれなかったが最後に『わかりあした。先生は火事見舞いで、オイラの為自腹を切ってくださった。』と言って受け取ってくれた。ハハハハハ。皆さん気をつけてお帰りください。

 今日はありがとよ。。。。。』

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　考

立川志の輔落語『徂徠豆腐』

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